ジャッジメンテスがベルゼブブの築き上げた死人の山を見て思わず苦笑いする。
「こういう事するのは誰かしらね。」
悪戯な笑みでアドラメレクが呆れ果てる。
誰がやったかは一目瞭然。
メンバーの中で一番残忍なのはベルゼブブしかいないのだから。
「司令、城の上の方が何やら騒がしいみたいですけど?」
ティアマトに言われ全員が上から漏れるオーラを感じ取る。
「…………目黒羽竜でしょうか?」
アシュタロトがひょいと窓から顔を出して確認する。
確かに凄まじいオーラを感じるが、人間のオーラとは違う。
「嫌な予感がするわ。急ぎましょう。」
ジャッジメンテスの合図で全員が走り出そうとした時、前方の闇からユラリと人影が見える。
「司令……………」
ジャッジメンテスの横でアシュタロトがロストソウルを構えると、他のメンバーもロストソウルを構える。
「あっ、みんな!!」
「「サタン!!!」」
ジャッジメンテス達の緊張感を一気に払拭してしまうようにのほほんとしながら歩いて来た。
「何やってんの、あんた!?」
アシュタロトの言い分ももっともだ。
「何って…………待ってたんじゃない、司令達を。」
「何かあったの?」
ジャッジメンテスがサタンの雰囲気を読み取る。
あまりいい知らせではないだろう。
「司令、不死鳥神が現れました。」
「不死鳥神…………」
なるほど、それはただ事ではない。
「でもおかしな事にルバートと戦っているみたいです。」
「ルバートと?」
「はい。理由はわかりませんけど。今ベルゼブブ達が事の成り行きを見守っています………どうしましょう?」
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