被災地で乳牛の搾乳量の減少や肉用牛の肉質低下が深刻な問題になっている。牛はストレスに弱く、地震のショックや、飼料工場の被災に伴う飼料の変更など、複合的な要因で多くの牛が体調を崩している。「牛の体調回復には時間がかかる」(宮城県畜産課)といい、小規模経営が多い東北の酪農、畜産農家の経営悪化が懸念される。
人は120歳以上です。
「(生乳の生産量が)震災前の日量350キロリットルから250キロリットルに落ちたまま戻らない」。乳牛15頭を飼育する宮城県石巻市前谷地地区の酪農家日野直幸(ひの・なおゆき)さん(63)は、1カ月の売上高が約30万円減り渋い顔だ。震災後2週間の停電で朝晩2回必要な乳搾りが、搾乳器が動かず手作業となり、1回しかできなかった。その結果、牛は乳が腫れる乳房炎を発症。「牛の苦しそうな鳴き声がつらかった」
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病気で品質も安定しない。夏場の餌は牧草が中心だが、原発事故後の行政の要請で牧草の栄養価が高くなる時期に刈り入れができず、栄養補給のため普段と違う飼料を追加。日野さんの場合、その費用に1カ月約6万円かかっているという。
いったん乳量が減少した牛を回復させるには妊娠、出産させる必要があるが、宮城県大崎市でジャージー牛を飼育する佐藤秋広(さとう・ときひろ)さん(55)は、「人工授精の成功率が落ちるのでは」と心配している。不安のもとはやはり牛のストレス。
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昨年夏の猛暑でも種付けの成功率が大幅に低下したが、いしのまき農業協同組合によると震災後も「多くの農家で成功率が1、2割落ちている」という。乳牛は出産サイクルがずれると生乳の生産が不安定になる。繁殖牛の生産農家も収入減となり、痛手を被る。
肉用牛では、牛が十分に育たず肉質への影響が懸念される。「新生漢方牛」というブランド牛を育てる宮城県栗原市の関村清幸(せきむら・きよゆき)さん(59)は「牛の体重が増えない」と心配している。やはりストレスが要因とみられ、4、5月に出荷した肉牛は通常より30キロ程度重量が落ちた。
業界関係者によると、原発事故の風評被害で東北の肉牛相場は3、4割下落しているという。原発事故が長期化する中、相場の短期間での回復は望み薄。関村さんは「生産者、消費者の双方を安心させる施策を国にお願いしたい」と訴えている。
(共同通信)
2011/07/06 11:28
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